起業調査隊調査報告『起業設立その二』について
【法人の種類】
株式会社
株式会社は株式を発行することで資金を調達しますので出資者の責任は有限責任です。また会社法において、株式会社には「公開会社」と「非公開会社」があります。
「非公開会社」とは発行する全部の株式について譲渡制限があります。
「公開会社」とは、非公開会社以外の株式会社を指し、取締役の人数や業務決定機関に違いがあります。
株式会社の設立において、公開会社にするか非公開会社にするかという点、取締役会設置会社にするか取締役非設置会社にするかという点が重要ですが、「出資者が少数、出資者間に信頼関係がある」という環境下で起業をするケースが多いと仮定すると、小さい株式会社として「非公開・取締役1名・取締役会も監査役も設置しない株式会社」としての起業がよい形態でしょう。
株式会社では、会社の設立手続きを行い設立後は株主になる人を発起人とよび、出資者を株主、会社経営を行う人を取締役、会社の代表を代表取締役と呼びます。
合同会社(LLC)
会社法により有限会社が設立できなくなりましたが、代わって新しく設立できる会社として合同会社があります。
これは、既にアメリカ等に存在するLLC(Limited Liability Company)を手本として新たに整備された会社形態で、日本版LLCとも呼ばれています。
原則として出資者自身が経営を行います。そのため株式会社に必要な、株主総会や取締役会の開催は必要がなく、かつ出資者は有限責任となります。
合同会社では、株式会社で述べた、発起人・株主・取締役・代表取締役をすべて社員が担うことになります。
合資会社
合同・合名会社と似た会社形態で、出資者に有限責任と無限責任が混在するという特徴があります。
新しく起業するうえでのメリットはないといえます。
合名会社
合同会社と似た会社形態ですが、出資者は無限責任となります。
こちらも新しく起業するにはメリットはないといえます。
【設立手続きに価格費用について】
会社の種類で紹介した株式会社と合同会社における費用目安を紹介します。
| 株式会社 | 合同会社(LLC) | 合資会社 | 合名会社 | |
| 定款貼付印紙代 | 4万円 | |||
| 出資金 | 1円以上 | 1円以上 | 2円以上 設立時に実際に出資をする必要はない |
1円以上 設立時に実際に出資をする必要はない |
| 印鑑作成費用 | 2万〜3万円 | |||
| 定款認証費用 | 5万円 定款謄本の交付手数料250円/枚 |
不要 | 不要 | 不要 |
| 登記に必要な登録免許税 | 資本金額の1000分の7または15万円の金額が多い方 | 資本金額の1000分の7または6万円の金額が多い方 | 6万円 | 6万円 |
| 登記簿謄本 印鑑証明書 |
登記簿謄本1,000円/1通 印鑑証明500円/1通 |
|||
| 払込金保管証明書 | 発起設立の場合不要募集設立は払込金額の0.25〜0.75% | 不要 | 不要 | 不要 |
| 合計 | 約27万+出資金 | 約13万+出資金 | 約13万+出資金 | 約13万+出資金 |
専門家に依頼した場合の諸費用
| 依頼内容 | 依頼先 | 費用 | |
| 会社設立登記 | 司法書士 | 約15万円 | |
| 許認可 | 飲食店許可 | 行政書士 | 約5万円 |
| 古物商許可 | 約20万円 | ||
| 宅地建物取引業免許 | |||
| 建設業許可 | |||
| 一般労働者派遣事業許可 | |||
| 酒類販売業免許 | |||
| 産業廃棄物収集運搬許可 | |||
【『新会社法』施行により株式会社の設立が簡単に】
起業率向上を目的に大きく2つのポイントで法改正がなされました。
最低資本金制度が撤廃
従来は株式会社を設立する際、最低1,000万円の資本金を用意する必要がありましたが、今では資本金を気にすることなく設立することができるようになりました。
非現実的ではありますが1円で株式会社を設立することもできるようにもなりました。
柔軟な機関設計
機関設計は、会社における株主総会、取締役、取締役会、監査役、会計監査役、会計参与という各機関を会社の種類に応じて、どのように設置するかを決定することを言います。
従前の商法等では会社の資本金や負債等により、会社を大会社・中会社・小会社・有限会社等に分け、これらを法律によって一律の機関設置を強制していました。
しかし、新会社法では各会社の実態に応じて法の範囲内での柔軟な機関の設置が認められ、実態に即した会社運営が可能となりました。
これにより、社長=取締役一人、取締役会なし、監査役なしの株式会社の設立が可能となり株式会社の設立が身近になりました。
| 1 | 株主総会 | 取締役 | ||||
| 2 | 株主総会 | 取締役 | 監査役 | |||
| 3 | 株主総会 | 取締役 | 監査役 | 会計監査人 | ||
| 4 | 株主総会 | 取締役 | 会計参与 | |||
| 5 | 株主総会 | 取締役 | 監査役 | 会計参与 | ||
| 6 | 株主総会 | 取締役 | 取締役会 | 会計参与 | ||
| 7 | 株主総会 | 取締役 | 取締役会 | 監査役 | ||
| 8 | 株主総会 | 取締役 | 取締役会 | 監査役 | 会計参与 | |
| 9 | 株主総会 | 取締役 | 取締役会 | 監査役 | 会計監査人 | |
| 10 | 株主総会 | 取締役 | 取締役会 | 監査役 | 会計監査人 | 会計参与 |
株主総会 : 全ての株式会社で必ず設置
取締役 : 全ての株式会社で最低一人は必要。ただし取締役会を設置する株式会社では3人以上(取締役会は取締役3人以上で構成される)。
取締役会 : 株式譲渡制限会社では任意設置。ただしそれ以外の株式会社は設置が必須。
監査役 : 株式譲渡制限会社では任意設置。ただし取締役会を設置する会社では原則設置。
会計監査人 : 大会社では設置が必須。大会社以外の会社は任意設置。
会計参与 : 全ての株式会社で任意設置。大会社以外の株式譲渡制限会社が取締役会を設置する場合、会計参与を設置することで監査役に代えることができる。
※会計監査人とは、株式会社における機関のひとつであり、会社の決算書類などを監査することを主な職務・権限とする。公認会計士または監査法人のみが就任することができる。
※会計参与とは、新会社法において新設された会社の機関で、取締役と共同して決算書を作成・説明・開示などを行ない、税理士や公認会計士等の会計専門家が就任します。
※株式譲渡制限会社とは、全ての株式の譲渡について、会社の承認を必要とする旨を定めた定款を設置している株式会社を指す。
※大会社とは、資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社を指す。
